- 下水道整備や美化活動、水質改善を積み重ね、「守る」から「未来に残す」大和川へ
大和川は、奈良県と大阪府を流れて大阪湾に注ぎ込む長さ68キロの一級河川で、およそ215万人が流域に暮らしています。高度経済成長による住宅地開発・都市化とともに人口が著しく増加し、生活排水、工場排水、畜産排水によって水質が急激に悪化し、大和川の水質が全国ワースト1位となった過去もありました。
昭和42年に水質事故や水質悪化に連携対応することを目的に「大和川水質汚濁防止連絡協議会」が発足。その後、水質改善を目指し、流域の関係機関が協力し河川事業、下水道事業、普及啓発活動等の取り組みを実施する「大和川清流ルネッサンス協議会」がスタートしました。このような長年積み重ねてきた下水道の整備や地域の皆様の水質改善への取り組みにより、大和川の水質は徐々に改善し、平成16年、大和川本川 8 地点の平均のBOD(生物化学的酸素要求量)が 4.6mg/Lを記録し、40年ぶりに環境基準レベルの5mg/Lを下回りました。
この改善を契機に、大和川再生の連携加速を目指すべく「大和川水質汚濁防止連絡協議会」と「大和川清流ルネッサンス協議会」は統合。流域住民や関係機関からなるあらたな組織として「大和川水環境協議会」が誕生し今に至ります。
- 大和川流域各地での多様な清掃活動を、可視化・共有によって、更なる活性化を目指す
様々な連携や協働が行われる中で、ごみ拾い活動は大和川流域一斉清掃「大和川・石川クリーン作戦」として平成8年度から河川流域各地で、地域住民・団体等によって行われてきました。また、令和5年6月の大和川のごみ 報道を受けて、一般の方々からの反響も多く寄せられ、令和5年10月15日には奈良県在住以外も含む一般の方々がごみ拾いSNS「ピリカ」を通じて集い、大和川の清掃を行っていただいています。大和川水環境協議会は、これらの大和川流域での多様な活動を可視化し、更に推進すべく、この度ピリカ企業・団体版見える化ページ「流れは未来へ続く大和川クリーンキャンペーン」を活用します。
流れは未来へ続く大和川クリーンキャンペーン
また、大和川河川事務所では、2週に1回職員による河川内のごみ拾いを行うとともに、大和川のごみ拾いを行うための大和川ごみ袋を配布しています。 加えて、不法投棄やポイ捨ての啓発活動を進めていくとともに、3月第1日曜日に「大和川・石川クリーン作戦」「大和川流域一斉清掃」を実施予定です。
■株式会社ピリカについて
科学技術の力であらゆる環境問題を解決することを目指し、2011年に大学の研究室で非公式のプロジェクトとして始まり、同年に法人化。様々な環境問題の中でまず第一歩目としてごみ(特にプラスチック)の自然界流出問題に注力しています。
ごみ拾いSNS「ピリカ」は2011年にリリースし、現在126の国と地域から累計3.3億個のごみが拾われています(2023年12月18日現在)。累計ありがとう数は約3,000万、ごみ拾い活動を通じて多くのコミュニケーションが生まれています。自治体や企業による清掃活動の可視化と促進を目指す「見える化ページ」等の導入も拡大しています。
また、流出ごみを計測する共通基準を生み出すべく、路上ごみの量や分布を定量的に計測する方法として「タカノメ」、さらに独自のマイクロプラスチック流出量を調査する「アルバトロス」を開発。アルバトロス調査により、海洋・陸のごみの流出状況をオープンデータで発表し、課題発見と解決に向けた協業・連携を展開しています。流出ごみ対策や資源化などのコンサルティングも新たに開始し、科学技術の力であらゆる環境問題解決を目指すべく、様々な連携・パートナーシップを通じて事業を展開しています。
2021年第1回環境スタートアップ大賞にて「環境大臣賞」受賞。2023年第6回日経ソーシャルビジネスコンテストにて「大賞」受賞。
会社概要
社名:株式会社ピリカ(英名 Pirika, Inc.)
※ピリカはアイヌ語で「美しい」という意味の言葉です。
所在地:東京都渋谷区宇田川町2−1渋谷ホームズ1308
事業内容:ごみ拾い促進プラットフォーム「ピリカ」/ごみ分布調査サービス 「タカノメ」/マイクロプラスチック調査サービス「アルバトロス」の開発、運営
設立年月日:2011年11月21日
引用元